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新たな趣味と出会える「トルクフェスタ」にキネヅカが登場! 編集長・納谷陽平が輝くシニアの事例を紹介

“65歳からもグイグイ進もう”を合言葉に、新たな趣味や仲間との出会いを通じてシニアの充実した生活と社会参加を応援する東大阪市主催のプロジェクト「トルクひがしおおさか」。そのはじまりとなるイベント「トルクフェスタ」が2022年12月5日、東大阪市文化創造館で開催されました。キネヅカ編集長・納谷陽平が登壇したトーク「シニア世代の新たな趣味のはじめ方 輝いている事例紹介します!」とともに、イベントの模様をたっぷりとお届けします。

「トルクフェスタ」とは?
65歳以上のシニア世代を対象にした「トルクひがしおおさか」に向けたきっかけづくりとなるイベント。コーヒー、クラフト、ボードゲームなど「トルクフェスタ」で体験した新たな趣味に興味が湧けば、その後約6か月間にわたってプログラムを受講することができます。
目次

キネヅカがこれまで出会った輝くシニアを紹介

今回「トルクフェスタ」に登壇するにあたって「集まった参加者のみなさんに、いくつになっても輝き続ける人たちのお話からヒントを得てほしい」と考えたキネヅカ編集長・納谷。「シニア世代・新たな趣味のはじめ方」と題し、これまで取材で出会ったシニアのユニークな生き方を紹介しました。

たとえば、清澄白河でコーヒースタンドを営む奥野さんご夫妻のお話。清澄白河といえば「ブルーボトルコーヒー」などのコーヒー店が軒を連ね、値段もやや割高な印象ですが、奥野さんはコーヒー1杯300円という破格の値段でお店をオープン。「赤字にならない程度に採算が取れたら、あとは来てくれるお客さんに喜んでもらえるだけでいい」。そんな柔軟なバランス感覚で営むお店は地域の人々の憩いの場として親しまれています。

「早く定年がこないかと思っていた。」清澄白河の人気店店主は67歳? |コーヒースタンドsunday zoo 奥野喜治さんインタビュー

シニア世代の女性には、編み物や裁縫などの手芸が大の得意という人も多いはず。2018年にバッグのブランド「Beyond the reef」を立ち上げた楠さんは、夫を見送って生活の張り合いをなくしていた義母・美智子さんに新たな生きがいを持ってもらおうと、美智子さんの得意な編み物に着目して商品化。

その後は編み物好きのシニアがどんどん集まって活躍するようになり、今では若い女性から支持を集める人気ブランドに。自分が編んだバッグが誰かのおしゃれに花を添えたり、ワークショップで若い人に編み物を教えたりといった現在の暮らしに「この年になって社会に必要とされてうれしい」と美智子さんは語っています。

「おばあちゃん」の編み物×最先端のバッグデザインで、シニアの雇用の輪を広げる|Beyond the reef(ビヨンドザリーフ)代表楠 佳英さんインタビュー

ほかにもYouTuberとして活躍する方、60歳を越えてはじめて海に潜ったダイバーなど、輝くシニアが多数登場。現役時代の仕事を生かしたり、長年の趣味を極めたりと、それまで培った経験や技術が新たな形で生きがいにつながる良い例をお見せできたのではないでしょうか。

トークの後半では、キネヅカの過去のインタビューから心に残る名言も紹介。「男にとって仕事とは、男そのもの」と語った漫画家のさいとう・たかをさん、引退したら何がしたい? との質問に「仕事しか知らないからわからない」と答えた芸人の内海桂子さん。

シニア世代の多くが長年情熱を傾けた「働く」ということについての名言はもちろん、俳優の武田鉄矢さんの「学びは一生ものである」という言葉も、これから新たな生きがいを得たいと考えるシニアにとって大きな励ましとなると思います。

キネヅカを立ち上げたきっかけとして「現役時代はバリバリ働き輝いていた父がリタイア後は1日中ずっとテレビの前。そのさみしさもあって、シニアのポジティブなニュースを届けたいと思ってはじめたんです」と語った納谷。今回、これまでキネヅカを知らなかった方々にも輝くシニアの事例をお届けでき、私たちにとってうれしい1日となりました。

チアリーダーに、侍に変身!
いきいきと体を動かすプログラムで健康に

新たな趣味や仲間と出会うことができる「トルクフェスタ」の会場ではこの日、多種多様な催しが開催されました。まずステージのオープニングを飾ったのは「東大阪オトン・オカンチアリーダーズ」によるチアダンスショー! なんと最高齢80歳のメンバーも登場し、元気なかけ声と軽快なダンスで会場を盛り上げました。

リーダーの「チアを通して自分たちも元気をもらえるんですよ」とのコメントに、その後の体験には20名以上もの参加者が。

ストレッチ、柔軟、笑顔といったチアの基礎にはじまり、簡単なステップやダンスの一部を練習。みなさんあふれんばかりの笑顔でチアの魅力に触れながら汗を流していました。

体を動かすプログラムはほかにも。「チャンバラショー&シニア向け侍体験」では「日本殺陣道協会・もののふ塾」のみなさんが迫力のショーを披露!

体験では参加者も時代劇の衣装に着替え、刀を携え、侍になりきっていざ実戦! 刀の正しい持ち方から基本の構え、納刀まで一連の流れを教わりました。「さあ、もっと大きな声で!」「刀をまっすぐ構えて!」と檄を飛ばす先生の指導に、みなさん大きな声を出してついていきます。

時に真剣に、時に笑顔をこぼしながら練習を重ね、最後は1対1の戦いを披露。時代劇の主役になったかのような気分で楽しみました。

脳トレに役立つボードゲーム、毎日を彩るコーヒー教室も

今回の「トルクフェスタ」のプログラムの中には、すでに今後の講座開催が決まっているものも。この日興味を持ったイベントが見つかれば、2023年1月からより深く学んでいくことができます。

ものづくりが好きな人が多く集まったのが「クラフト体験」。この日はキーホルダー、コースター、箸置きの中から好きなものを選んで木材で作りましたが、今後は「男・本気のレザークラフト教室」として、革や道具の知識を得ながらクラフト技術を習得。

当日は堺市・池田市での同様のプロジェクトでクラフトを学んだシニアの先輩方が訪れ、参加者にレクチャー。講師役を務めた方は「不器用な人でも大丈夫。一度知識を覚えたら自宅でクラフトを楽しむこともできますよ」と、シニアの新たな趣味としてクラフトをおすすめしていました。世代の近い人から教わることで、自分もはじめてみようと一歩を踏み出す気持ちが高まりそうです。

「トルクフェスタ」の会場で常に盛り上がりを見せていたのがボードゲームの体験ブース。東大阪市内のボードゲームカフェのオーナーと、近畿大学でボードゲームを開発するプロジェクトに携わる大学生が指南役を務めます。机にずらりと並べられたゲームから、興味を持ったものを実際に体験してみることができました。

この日人気を集めた「ボブジテン」はカタカナ語を日本語だけで説明し、そのキーワードを当てるというゲーム。キーワードを説明する出題者も、出題者が出すヒントから答えを推理する回答者も頭を使うため、脳トレ効果も期待できそうです。

いたるところで初対面のシニアが輪になり「あー、なるほど!」「当たったー!」と大盛り上がり。こちらも、1月から「脳トレ&コミュニケーションを楽しむボードゲーム入門」がはじまるそう。

さて、立ち見ができるほどこの日一番の盛況ぶりを見せていたのが「コーヒー教室体験会」。今後は「男・本気のコーヒー教室」として男性限定の講座として開催されますが、この日は女性も体験できるとあって大勢がつめかけました。

奥深いコーヒーの世界へ足を踏み入れる第一歩として、東大阪発祥の老舗珈琲店の焙煎士が自宅でおいしくコーヒーを淹れるコツを伝授。道具の紹介や使い方、鮮度を保つコーヒー豆の保存方法など、すぐに生かせる知識がレクチャーされました。

新たな生きがいとともに“65歳からもグイグイ進もう”

「トルクフェスタ」ではほかにも「健康チェック」「美姿勢&筋力アップストレッチ」などさまざまなプログラムが開催され、どのブースでも参加したみなさんのいきいきとした表情が見られました。

今回は東大阪市の試みを紹介しましたが、みなさんのご近所でも、自宅でも、気軽にはじめられる趣味がきっとたくさんあるはず。新たな出会いを求め、外に飛び出してみましょう!

トルクひがしおおさか

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取材・文=山森 佳奈子
撮影=キネヅカ編集部

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