スキルアップ、再就職にも。職業訓練学校で学ぶ
スキルアップにおすすめの「職業訓練学校」
高齢者雇用安定法の改正により、事業主は従業員に対して定年年齢の引き上げや継続雇用措置の実施を義務付けられることとなりました。
これにより、高齢者の持つ知識や経験を活用する場が拡大されてきており、シニア世代も積極的にスキルを高めていくことで活躍できる時代が到来しています。
そこでシニア世代におすすめなのが、「職業訓練学校」に通うことです。現在の公的職業訓練制度は、おおまかに分けて国が実施するものと、各都道府県が実施するものに分けられます。
国が提供する職業訓練は金属加工や住宅リフォーム技術といったものづくり分野の高度な内容がメインで、独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」が主体となり、全国に設置しているポリテクセンター(職業能力開発促進センター)及びポリテクカレッジ(職業能力開発大学校など)を通して提供されています。
東京都の講座内容は?
東京都の場合、東京都の雇用就業に関する総合WEBサイト「TOKYOはたらくネット」によると、45歳以上のミドルシニアからシニア世代に向けての講座として、建築・造園関係、電気関係、その他の3分野を開講しています。
建築・造園関係は庭園施工管理科、ビル管理科、設備保全科の3コースに分かれており、電気関係には電気設備管理科と電気設備保全科の2コースがあります。
内容はどのコースも実践的で、ビル管理科では実際にビルの管理会社で働くことを想定し、中高層ビルに設置されている冷暖房・電気・給排水・防災等の諸設備についての運転や整備の方法を実習で習得していく他、ビル設備全般の保守管理技能についての知識を学びます。
その他の分野にはホテル・レストランサービス科、クリーンスタッフ養成科、生活支援サービス科、マンション維持管理科、施設警備科があります。
ホテル・レストランサービス科は、その名の通りホテルやレストランでサービス業に従事する人材の育成を目的としたコースです。レストランや宴会場でのテーブルセッティングや飲料サービスの実技、ホテルのフロントや客室整備についての知識など、サービス業務に必要な接遇の知識・実技を幅広く習得することができます。
生活支援サービス科は、家事代行サービス事業や家政婦事業、介護関連事業などで働くことを想定したコースです。掃除、調理等の知識と技能の習得や基本的な介護知識の理解を目指します。介護職員初任者研修や整理収納アドバイザー2級の資格を取得することも可能です。
再就職のサポートも。申し込みはハローワークで
これらの講座は昼間に開講され、受講期間は3カ月から6カ月です。他の一般向けのコースに比べると短期間で修了させることができ、修了後の再就職にあたっては、ハローワーク、東京しごとセンター、アクティブシニア就業支援センター、東京都シルバー人材センター連合といった各種団体による就職支援を受けることができます。
費用は教科書代、資格取得料、交通費などを除き全て無料で、雇用保険を受給できない人向けに一定の条件を満たせば職業訓練受講手当として月額10万円と交通費の支給が受けられる職業訓練受講給付金制度も用意されています。
受講申し込みはハローワークで行いますが、希望すれば誰でも受講できるというわけではなく、面接と筆記または学力試験による選考が行われます。
実際に訓練を受けている様子を知りたいという人のために、見学会が随時開催されているので、受講を検討している人は事前に参加してみるとよいでしょう。
最新更新日 2018.05.01