今流行のシニア起業はかんたん?

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増加の一途をたどるシニア起業

働き手の減少が深刻な問題を引き起こしている昨今、重要なリソース(資源)として期待されているのが女性やシニアの労働力です。年金受給年齢の引き上げを受け、健康な限りは仕事を続けたいと志向する高齢者は年々増加の一途をたどっています。

なかでも、注目すべきはシニア起業の波でしょう。2017年版中小企業白書によると、起業家や起業を希望する人の男女比は7:3。そのうち、男性の年齢構成別のデータでは、60歳以上の起業家・志望者が全体の実に35%を占めるという現状が示されています。

会社を設立することは大変なリスクを伴う一方、長年培ってきたノウハウを活かせる、定年がなく自分の可能性を試せる、在宅で自分のペースで安定収入を得ることも可能であるなど、高齢者にとって魅力的な面も数多くあります。

追い風が吹いている?独立の夢と現実

シニア起業家の多くは、職種を問わず大規模な業態を望みません。会社を利益追求よりも自分の人生を充実させるための場としてとらえる傾向にあります。そうした身の丈にあった経営を目指す特徴は、却って安定につながるようです。

法人に比べて社会的信用は劣るものの、個人事業主として独立のスタートを切る方法ならば、設立手続きも比較的簡便に済みます。シニアの持つ豊富な人生経験とコネクション、若年層に比べて潤沢な資金は起業に際して大きな武器です。特に現在は、高齢者の起業を国が後押しする傾向にあります。

日本政策金融公庫(JFC)が融資するシニア枠の起業家支援資金や、厚生労働省による生涯現役起業支援助成金などはその一部です。高齢者を対象とした審査の通りやすい資金援助制度の活用は、収支計画の柱となるでしょう。

とはいえ、退職金をつぎ込んで始めたビジネスが資金回収の見込みのないものであったり、ささいなトラブルで挫折したり、悪質なフランチャイズ商法のえじきとなってしまったのでは、目も当てられません。

定年後の独立でメディアに取り上げられるほど華やかな転身を遂げる人がいる一方、シニア起業における5年後廃業率は20%にのぼります。前職のスキルを活かすにせよ長年の趣味をビジネスとするにせよ、新規参入には困難がつきものです。

常に顧客のニーズを探り競合相手の情報を調べる綿密さと、柔軟な思考、シビアな判断力が求められます。そして仮に負債を抱えたなら、自力で返せる手段とそのために費やせる時間は限られている事実を、肝に銘じておくべきです。

自己実現と社会貢献

しかしながら、シニア層による起業が、閉塞した経済情勢を打開する突破口となる可能性を秘めていることは疑いがありません。

始まりは社員一人のちいさな会社でも、起業家として歩む第二の人生は、日本社会の活性化を生涯担っていくという意味をも持つのです。試行錯誤の日々は、はかりしれない充実感をもたらしてくれることでしょう。

最新更新日 2018.02.20

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