定年後も働きたい!再就職・転職の心構え
雇用の現実と転職の可能性
内閣府の調査によると、60歳以上の高齢者のうち就労を希望する人の割合は7割を超え、65歳以上の雇用者も実に458万人に上りました。楽隠居、という言葉はすでに過去のものとなりつつあるようです。
再雇用制度の原則にのっとり、企業は希望者に対して雇用継続する義務があるものの、契約に際して部署替えや賃金の大幅な引き下げなど、意に沿わない条件を提示されるケースも考えられます。そこで定年後の再就職や転職も視野に入れる場合、どのような点に注意すべきでしょうか?
あらゆる手を尽くし、履歴書や面接もぬかりない準備を
まず、40代以降は採用率が格段にダウンすることは覚悟しておく必要があります。若者の就活が狭き門だとすれば、中高年以降のそれは道なき道です。
ハローワークやインターネットの転職サイト、タウン誌など紙媒体の求人情報、身内や知り合いのコネクションに至るまで、あらゆる手段を尽くして探し、しらみつぶしに応募するくらいのハングリー精神をもって臨むべきでしょう。過度な妥協は禁物ですが、労力を惜しんだ受け身の姿勢は何も生み出しません。
複数の転職支援サイトやエージェント会社に登録して、マッチングのプロの手を積極的に借りましょう。特に、一見「自分のキャリアを充分に活かせない」と感じられたオファーでも、即戦力として採用されたというケースはよく聞かれるところです。
過去の業種に囚われず柔軟な対応でチャンスをものにしていくことができれば、選択の幅はグッと広がります。
履歴書のフォーマットは再就職者・高齢者に適したものをきちんと選び、証明写真の枠には写真館で撮影した映りの良いものを貼る……最低限のスタートラインに立つための準備ですが、意外とおろそかにしがちな点でもあります。
面接試験は自分のやる気や経歴を伝えるための時間ではなく、会社をよりよくするための具体的なプランを披露するプレゼンテーションの場だと考えましょう。たとえ未経験の職種でも企業に貢献していける、社会人としての老練な知恵とノウハウを備えていることをアピールする必要があるのです。
新たな職場で気をつけることは?
晴れて就職が叶っても、転職活動は終わりではありません。新たな同僚との協調をはかることができなければ、再就職は実りあるものにならないでしょう。
人間の集団心理は異物を排除する方向に働く性質があり、日本ではその傾向が顕著です。どのような立場で迎えられたにせよ、前職の慣習を押し通したり、年齢や前歴をかさにきて上下関係を強要したりすれば、たちまち排除すべき異物として認識されてしまいます。
まずは笑顔と丁寧な応対で、新しい職場になじむ姿勢を見せましょう。道なき道を切り拓いて再就職を成しえたあなたの柔軟さがあれば、決して難しいことではありません。
最新更新日 2018.07.20