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60代の男性ウェディングプランナーが主人公! 大爆笑のコメディ映画『セラヴィ!』

フランスの結婚式の裏側で
起こる大騒動がおもしろ過ぎる!

フランス映画『セラヴィ!』はフランスの結婚式の裏側を描いた喜劇です。ベテランのウェディングプランナーが任された豪華絢爛な結婚式で起こる数々の爆笑エピソードは、夏の暑さを吹き飛ばす笑いをもたらしてくれます。フランスの喜劇の楽しさが満載の作品です。

目次

物語

ウェディングプランナーのマックス(ジャン=ピエール・バクリ)は、キャリア30年のベテラン。そろそろ引退を考えていた頃、17世紀のお城での結婚式を担当することに。完璧な結婚式にしようとはりきったものの、集まったスタッフはポンコツばかり。当日も数々の失敗をやらかしてしまい、結婚式の裏側はてんてこまいな状態になってしまうのです。

フランス人らしさを大いに活かした喜劇

フランスは「恋の国」&ファッションのイメージが強いので、濃厚なラブストーリーやお洒落な映画が多いと思われがちですが、フランス映画界はコメディも大得意です。それもフランスらしい個性を強調した喜劇を作りだすのが上手なのです。

本作で主人公のマックスは、ダメなスタッフに大いに振り回されます。お客様に出す料理をつまみ食いされたり、食材を腐らせて料理をなかなか出せなかったり、カメラマンなのにろくに写真を撮らなかったり、音楽係として雇ったミュージシャンは新郎のリクエストを無視して好きな曲を歌い出したりと、みんな自分勝手です。

普通なら招待客も「段取り悪すぎ」と、気付いてもいいレベルなのですが、パーティ気分の招待客はおしゃべりに夢中。スタッフのミスなど見向きもせず、とても楽しそうで、フランス人って意外と大らか!と驚きです。

厳しくて辛口だけど、部下思いの上司マックス

この映画を見ると、日本とフランスのウェディングプランナーの違いがよくわかります。マックスは顧客に「それは無理です」「そのドレスは似合わない」など、とても正直。日本だったらありえないでしょう。だから、最初はキツイ印象を抱きますが、彼はどんなにスタッフがポンコツでもクビにしません。なぜならスタッフは日雇いが多く、生活がかかっていることがわかっているからです。

なんとか結婚式を成功へと導こうと必死のマックス。ときどき怒りまくったり、空回りしたりするので、そこが笑いのポイントでもあるのですが、口は悪いけど根はやさしい。だから30年間ウェディグプランナーとしてやって来られたのでしょう。

『セラヴィ!』が描く結婚式は「社会の縮図」

マックスを演じたのはフランスのベテラン俳優ジャン=ピエール・バクリ。彼はこの映画の魅力をこう語っています。

「この映画の好きなところは、結婚式が社会の縮図のように見えることです。どこの国でも才能がある人もいれば、ない人もいる。誰もが大統領になれる社会などないでしょう。しかし、成功者になれなくても、社会の一員として生きていかなければいけない。例えば電車の車掌さんなど、一見すると小さな役割かもしれないけど、社会に居場所を見つけることはできる。この映画はそういうことを描いているのです」。

失敗ばかりのポンコツたちだって、仕事を覚えればできるし、役に立つことができる。1度の失敗でダメの烙印を押すのではなく、チャレンジすることと、その姿を温かく見守ることの大切さも描いています。

現役で働いているシニア世代の方の中には、部下を持つ人も多いでしょう。また、かつて部下の失敗には悩まされたよ……という人もいるのでは? そんな人は映画『セラヴィ!』の主人公に大共感するかもしれませんね。

映画『セラヴィ!』

映画『セラヴィ!』ポスター

公開日
2018年7月6日(金)渋谷・シネクイント 他全国公開

スタッフ・キャスト
監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
出演:ジャン=ピエール・バクリ、ジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、ヴァンサン・マケーニュ、アルバン・イヴァノフ、バンジャマン・ラヴェルネ、アイ・アイダラ、スザンヌ・クレマン、エレーヌ・ヴァンサンほか

© 2017 QUAD+TEN / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE

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文=斎藤 香
写真提供=2017 QUAD+TEN / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE

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